アメリカには約4000以上の大学があると言われています。日本の大学の数が約800校と言われていますので、アメリカにはどれだけ多い大学があるかお分かりいただけると思います。日本の大学も「私立大学」「国立大学」といった分類がされますが、アメリカも、すべてが同一の大学ではなく、ある程度まとまった4つのグループに分類されます。そこで今回は、約4000ある大学を、大きく4つに分類してそれぞれの特徴を説明していきます。たくさんあるアメリカの大学からどこを選んだらよいかわからないという人は、この4つの分類を参考に志望大学を絞ってみてはいかがでしょうか。
私立総合大学
まずは私立の総合大学です。こちらは日本の私立大学をイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。日本にも東京6大学など歴史のある大学群がありますが、この私立総合大学にも、世界的に超有名なアイビーリーグが存在します。簡単に特徴をまとめていきましょう。
【特徴1】大規模な学生の数と多様なカリキュラム
私立の総合大学は、様々な学部学科が集まり多様なカリキュラムを用意しています。1万人を超える大学が多くあり、中には5万人ほどの学生を抱える大学も存在します。設備も充実しており、アメリカ大学といえばこれとイメージする方も多いのではないでしょうか。
【特徴2】アイビーリーグとは
私立総合大学で必ずと言っていいほど名前がを聞くのがアイビーリーグ(Ivy League)と呼ばれる8つの大学群です。世界有数の名門大学群としてその名をはせ、世界中から多くの優秀な学生が集まってきます。構成大学は、ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、イエール大学です。これら大学は各種大学ランキングで常に上位に入ってくるほど名実ともに実力のある大学群です。
【特徴3】大学院レベルの研究と専門性
私立総合大学は、大学院での研究やより専門的実践的な教育に重点を置いています。教授陣は学者や研究者が多く自分の研究に専念し、高度な学問を学生に教えたいと考えています。そのためカリキュラムも設備もレベルが高く、研究も世界最先端のものが行われていると言えます。
【特徴4】学費の高さ
やはり学費の高さが強いてあげるデメリットでしょうか。日本の国立大学と私立大学で学費が違うように、州立大学と比べると学費は高く設定されています。(年間約600万円)しかしながら、各種奨学金制度が整っており、家庭の経済状況に応じて大学側が奨学金でサポートしてくれます。とくにアイビーリーグといった名門校であれば、多数の著名なOBが多額の寄付をしているので、奨学金のサポートもとても手厚いです。
州立大学
続いて州立大学です。こちらは日本でいうところの国公立大学をイメージしてください。州立大学にも、アイビーリーグに引けを取らないパブリックアイビーなる大学群があり、世界から優秀な人材が集まりレベルお高い教育を行っています。
【特徴1】各州に住む人を対象に作られた大学
州立大学は州政府によって運営されており、その州に住む地域住民に入りやすいように作られた大学です。それでも私立大学と同じように多種多様な学部や専攻を提供しており、学習環境も整っています。また州立大学は地域に貢献することを重視しているので、地域経済の発展や社会問題の解決に取り組んでいます。
【特徴2】超有名校からだれでも入れる大学まで、レベルが様々
州立大学のレベルは大学ごと異なりますが、一般的には地元の学生が入りやすいようにそこまで難しくないレベルで設定されています。日本だと、国公立大学にはいるのは難しいと思われますが、アメリカはそうではないようです。しかしながら一部の人気な州立大学(例えばカリフォルニア大学バークレー校、フロリダ大学、ミシガン大学アナーバー校など)は競争率も高く、入学が非常に厳しい場合もあります。これら人気校は優れたプログラムや施設、多様な学生のコミュニティより人気を得ています。
【特徴3】州に住む人と留学生との学費の違い
州立大学は私立大学と比べて学費は安いとされていますが、これはあくまで「その州にすんでいる住民」に対しての話となります。そのためいわゆる州民と州外民では学費が大きく変わります。州民は年間9000ドル(約135万円)ですが、州外民は25,000ドル程度(約375万円)かかってきます。それでも私立大学よりかは安いかもしれません。
リベラルアーツカレッジ
リベラルアーツカレッジという大学群をご存じでしょうか?日本では聞きなれない言葉ですが、アメリカではかなり一般的に知れ渡っている大学です。そもそもリベラルアーツとは「教養教育」という意味で、人間として生きるために身につけるべき学問といったところでしょうか。これだとピンときませんよね・・もうすこし具体的に言うと、専門的な学部として学問を絞って学ぶ場所ではなく、「社会に出て働くために必要な、明確な答えがない問いに対して解決策を導き知識やスキルをみにつける学問」のことです。そのようなリベラルアーツ大学はどんな特徴があるのでしょうか。
【特徴1】小規模で授業も20人程度で行われる
アメリカ全土に600校ほどあり、いずれも学生数は500~3,000人くらいの小規模な私立大学です。 クラスも約20人程度の少人数制で留学生が落ち着いて勉強に専念するのには、とても適した大学です。
【特徴2】基本は寮生活
大自然に囲まれた中にキャンパスがあるため、都心に比べ安全で、ほとんどが寮制です。アメリカ人にとって寮生活とは親からの自立をするために必要な取り組みだと考えています。この寮内のコミュニティが多くの学生にとってはかけがえのない宝物になるそうですよ
【特徴3】学費が高い
気になる学費ですが年間平均で50,000ドル(約710万円)です。日本人にとっては信じられない学費です。さらには寮や食費を加えるとさらに費用が掛かってきます。それでも留学生奨学金プログラムも大学によっては用意されているのでそちらを利用してみましょう。
コミュニティカレッジ
こちらも聞きなれない大学群ですが、コミュニティカレッジとは、公立の2年生で、地域住民のために幅広く門戸を広げ教育を行う教育機関です。
【特徴1】だれでも入学を受け入れてくれる
一般的に入学基準が低いため、留学生はもちろんのこと、高校卒業者、就職後に再教育を希望する人など様々なバックボーンの人が受け入れられます。それぞれの地域で、「どんな人でもどんなタイミングでも教育を受けることができる」という理念のもと作られた大学なので、地元のコミュニティとのつながりが深く、地元企業と協業したり地域社会へボランティアしたりする活動が多いです。
【特徴2】4年生大学への転学
コミュニティカレッジは2年制です。そのため多くの大学生が2年終了後に、4年制大学の3年時へ編入してより高度な学位を取得します。日本の学生の中で「いきなりアメリカの総合大学は英語面でついていけない」と思う人はコミュニティカレッジからスタートしてもいいのではないでしょうか。
【特徴3】ほかの大学群よりもかなり割安な学費
最も気になる学費ですが、年間で平均10,000ドル(約140万円)の学費がかかります。他と比べるとかなり安い学費で押さえられそうです。とはいいつつもこの140万円は日本の私立大学と同じくらいなので決して安い金額ではありませんが、奨学金などを利用すればかなり安く学費を抑えられるかもしれません
まとめ ~結局どこが1番おすすめなのか~
さて、今回は数あるアメリカの大学を4分類して、それぞれの大学群の特徴をまとめてみました。ひとくちにアメリカの大学と言っても、カリキュラムや規模感、学費などさまざまでどれも一長一短があるような感じでした。筆者個人的な意見ですが、総じてどこがおすすめなのかをお伝えしたいと思います。
それは、「コミュニティカレッジ→総合大学の編入の4年間で学ぶ」ことです。
これは「学費」と「英語力」の2軸で結論を出しました。
まず「学費」ですが、コミュニティカレッジは圧倒的に他の大学群よりも学費が安く済みます。それに加え、多くのコミュカレが大学の編入制度を設けていますので、2年間頑張ってよい成績を収めれば名門大学への編入も夢ではありません。
また「英語力」の視点では、日本の高校を出てすぐにアメリカの大学の授業についていける英語力を持った学生はそう多くはないでしょう。そこでまずはコミュカレで英語になじんでいき、編入後の大学で授業が問題なく理解できるように英語力を伸ばしていくことも一つの手だと思います。
もちろん、「わたしは英語力に自信がある」「学びたいことがはっきりしている」などという人は総合大学で1年時から学ぶことは良いことだと思います。現状の日本の状況を考えると、英語力と経済力の面で「コミュニティカレッジ→総合大学」のルートは、考えておくべき選択肢となりえるでしょう。
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